今からもう5~6年前の話です。

子育てや介護中の女性登録者がメインのYPPに
Fさんという中高年の男性から登録がありました。

ある事情で退職したものの、
なかなか次の職が見つからない間
在宅ワークをしたいというご希望でした。

Fさんの履歴書を拝見して、
たしかにその年齢だと、簡単に再就職先が見つからないことは
想像に難くありませんでした。

年齢や経済的なことを考えれば
一刻も早く再就職したいことは明らかでしたが、とはいえ再就職が難しい状況で
YPPで登録し、個人事業主としてお仕事をスタートすることになりました。

在宅ワークを始めたてのFさんに
最初からボリュームのある仕事はなく、
まず1つ、週3日程度、一日2時間ぐらいの業務を担当してもらいました。
収入は微々たるもので、
潤沢にあるのは、シフトに入らない「働かない時間」。

Fさんは、このシフトに入っていない日に
熱心にチームのことを考えてくれ、
『いつも使っている管理表(Excel)をこう改善すると、
皆の間違いが減ると思うのですが・・・』と色々提案してくれました。

もちろん、YPPやお客様からオーダーしているわけではないので、
考えたり提案のためにExcelをいじっている時間は、お金になりません。

ただ、そんなことを繰り返すFさんに対して
チームメンバーは、感謝の言葉を述べ
チーム全体の雰囲気もとても良くなっていきました。

そんな生活から1~2年ぐらいでしょうか。

Fさんは一念発起して就職活動を再開します。
在宅でも個人事業主でも、
まわりと協力して働く中で
仕事への熱意や意欲が、自信に変わっていったのだと思います。

結果、Fさんは5社から内定をもらいました。

いずれも前職とは違う業界です。
びっくりするような大手企業からの内定もありました。

一つはAIを使う分野の仕事でした。

AIなんて使ったことも、見たこともありません。

でもFさんは、面接までの1週間にAI関連の本を
数冊ほど読み込んでいき、面接に臨みました。

その勉強熱心な姿勢が、採用の決め手だったそうです。

経験者だとかえって『過去の経験則や業界の慣行』に捉われて
やる前から「それは難しいと思います」と出来ない理由ばかり述べて
挑戦しないことが往々にしてあります。

どの業界にとっても今は変革期。
採用側は
新しいことを勉強する、やる気がある人と仕事がしたいと考えます。


面接をした会社の多くがFさんを採用したいと考えたことは、その頃には
私にとっては驚きではありませんでした。

Fさんは自分が勝ち取った選択肢の中から
大手企業ではなく、
自分が十分に活躍できそうな小規模な会社を選びました。

嬉しいことに
YPPで在宅ワークをする中で、
自分が感じる「仕事の喜び・やりがい」は何か
仕事において、自分にとって大切なことを
改めて知ったのだそうです。

いま、再就職にむけて
(就職活動していなくても将来に向けて)
学び直しをしている方も多いと思います。

再就職がすぐにできなくても、
少しずつ働くという選択肢もあります。

もちろん、新しいことを勉強するのは
簡単ではないことも沢山あります。

ただ、新しい分野は常に人手不足で
学び直しをすれば、いくらでもその先に
もっと働けるチャンスはめぐってきます。


Fさんの体験をぜひ一人でも多くの方に知って頂きたいと思います。

『一人でも多くの人に仕事の喜びを』
YPPが一番大事にしたいことです。


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