もう1か月ほど前になりますが、

初めての長期休暇でエジプトはカイロと
サハラ砂漠(白砂漠と黒砂漠)に行ってきました。

色々観光もしたのですが
砂漠で過ごした夜の出来事を
書き残しておきたいと思います。

さてその日は
首都カイロの街中を昼に出発して
自動車で走ること数時間。
とにかく、爆走、爆走。

チャーターした車のドライバーは
陽気そうな若者。
平均125~130キロの猛スピードで
片手ハンドル、
スマホで音楽を聴きながら
ガラケーで友人なのか恋人なのか
次々と電話をかけて
ほぼ喋りっぱなし。
そして、
前に大型トレーラーがいれば
反対車線から
クラクションを派手に鳴らして
グイグイ抜かしていく。

大型トレーラーが2台以上連なっていても
お構いなしで
反対車線をそんなにずっと走ったら
危険ではないのか?という
日本人の発想はサハラ砂漠では小さいのか
とにかく、ぶっ通しで爆走するドライバー。

よく考えたら彼の仕事は
この砂漠とカイロの往復で一日が終わる。

そりゃ一刻も早く
走りたくなるよね、と
命の危険を感じながらも
妙に納得しました。

そして
山も川も緑もない
あたり一面地平線まで
砂と岩の砂漠の中にある
貴重なオアシス
ちいさな村にたどり着き
それまでの普通乗用車から
ランドクルーザに乗り換えて
さらに2時間ほど走ります。

そして、
ようやくたどり着いたキャンプ地。
夜に到着したので
ヘッドライトが照らす先以外は
真っ暗…ではなく
意外と月明りと星空でも明かりがあり
またキャンプファイヤーの炎が
自然の中で、とても似合う。

自然そのもので
電気も水道ももちろん無し。
車に積んでいった水と1泊分の食料
ガスバーナーによる火と
ランドクルーザーからの電源だけが頼りです。
(なのに衛星のおかげで
電話やネットは繋がるという…
ネットって本当にすごいです)

そして地平線から上は全部、星空。

さえぎる建物どころか山もなく
木一本さえ、生えていないので、
自分の立っている位置から
まるで理科の教材のプラネタリウムのように
頭上のまんま半球分が星空です。

その圧巻の星空のもと
いくつも流れ星をみて
風の音だけが聞こえてくる…
という世界を堪能して感動…する予定が、

あれ?

知っている音楽が聞こえてくる?
というか、日本語?!?!

数キロほど離れていると思われる
小さなキャンプのあかりから
映画「君の名は」の主題歌が
大音量で流れてくる。

そうか。
日本語の砂漠ツアーに申し込んだら
やはり現地でも
日本人に会うものですね。

ちょっと気を取り直して
「君の名は」キャンプの宴会が終わり
本当に静かになったところで
(木がないので、
自分たちで音を出さなければ
風の音さえしないほど静かです)
こちらは、現地エジプトの打楽器
タブラの演奏を楽しみました。

なにしろ今回の旅の同伴家族は
日本一のタブラ奏者であり
今年からエジプトで音楽活動を始める
タブラクワイエサのバンマス
ムハマンド上田さん一家。
(YPP長年のお客様なのです)

現地のドライバーもガイドも
エジプト人なのに
日本人の上田さんが
プロのタブラ演奏者であることに
目を丸くして大喜び。
さっそく教えを乞い、
サハラの星空のもとで
即席のタブラ教室となりました。

特に若いほうの男性は熱心に
スマホで動画撮影していました(笑)。

その情景と音に聞き惚れて
写真を撮るのさえ忘れていましたが、
一枚ぐらい撮影すればよかったかな。

いやいや
自然の中で
五感でさえ楽しめば十分と
その夜は
スマホに一切手を触れなかったのでした。

朝になって撮影した砂漠の風景が、この写真。
こんな感じの景色が360度広がっていて
爽快でした。

今回の旅行
砂漠だけでなく
混沌としたカイロの街中にも
旅の魅力がありました。
どこかで第2弾を綴れたらと思います。

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