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月曜メール

YPP月曜メール 私の思うことvol.449 【自分の翼も人の翼も折らないように】

おはようございます。
関東は寒の戻りもなく
今週は本当に春らしい陽気に恵まれる予報です。

さて先日、東京大学の入学式で
ジェンダー研究の第一人者である上野千鶴子さんの祝辞が
話題となりました。

まだ全文をご覧になっていない方はぜひ
こちらを読んでいただけたらと思います。

[上野千鶴子氏祝辞全文]
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5cb01f5ee4b0ffefe3ae261c
[引用 ハプポスト]

社会には厳然と構造的な差別が存在していることを
さまざまな数字と統計で示した上で
東大生への祝辞の中で
「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
あなたたちが今日『がんばったら報われる』と思えるのは、
これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし
背を押し、手を持ってひきあげ、
やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです」
と語りかけました。

そして
「世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと…たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。」とメッセージを送りました。


東大生に向けた祝辞ではありますが
大人達にとっても
学び深い内容なので、ぜひシェアしたいと思います。

世界の本当に悩ましい出来事にふれるとき
日々自分の生活の中で悩ましいと思っていることが
実は、世界的にみれば大変恵まれている環境の上での
些細な悩みであることに気付かされます。


上野さんが祝辞の中で
ノーベル平和賞を受賞されたマララ・ユスフザイさんの父親の
『娘の翼を折らないように育ててきた』という言葉を紹介していたのが
わたしには大変印象的でした。

どれだけ多くの翼を
人がもてる才能や可能性を
簡単に否定したり、その存在にすら気づかず
時を過ごしてしまっているか。

深い悲しみや、
すぐには解決し難い状況に身を置いている人に思いを馳せて
せめて
恵まれている環境に気づき、
自分には自分なりの『翼』があることに気づき、
自分の働きがだれかの手助けとなっていることも
自覚したいと思います。

『無理』『できない』という言葉は
意識して使わないように心がけているのですが
もっと深いところで
潜在的に
『女性ならこうあるべき』
『男性ならこうあるべき』など
差別的な価値観が蔓延してきた歴史も自覚しながら
人の『翼』を折らないことも
心がけていきたいと思います。

今週も笑顔溢れる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子

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