Vol.409 【事実と解釈】
おはようございます。
沖縄・九州・四国・中国・近畿と本当に広範囲で大雨の被害が出ました。
大切なものを一瞬でなくされた方には
言葉が見つかりません。
一刻も早く町が復旧されることを願いつつ、
日常を過ごせる「幸いなひとり」として、今できることに今日も取り組もうと思います。
さて、
何十年ぶり、何百年ぶりの災害に見舞われる状況では
命を守ることが最優先ですが
命を脅かされる状況でもなく
健康で
仕事もあり、友人や家族もいて
平和な世の中に暮らしていても、
なぜか悩みは尽きることがないようです。
細かなことが気になるのは
国民性なのかも知れませんし、
最近の世の中の情報のせいかも知れません。
サイボウズの青野社長が「チームのことだけ考えた」という著書の中で
【事実と解釈の違い】を分けることを書かれていました。
たしかに
日常の様々なシーンで
事実を話しているようで
「解釈」に基づいて
意見が割れたり
感情が揺さぶられたりするものです。
事実と解釈は別、ということを念頭におきつつ
この月曜メールで何回かご紹介したお話を書きます。
『天国と地獄の違い』です。
地獄では、大きな茹で釜にグラグラとうどんが茹でられており
その周りを囲んだ人々の手には
長過ぎる箸がある。
長過ぎる箸を突っ込んで 我先に食べようとしても、箸が長過ぎるために自分の口には届かず
誰もがうどんを前に飢えている。
誰もが我先に食べようとし
自分より人が先に食べてはなるものか、と箸で突き合って
阿鼻叫喚が繰り広げられている。
一方で天国では
どういう光景が繰り広げられているか。
天国でも同じく大きな釜にグラグラとうどんが茹でられており
人々の手には
地獄と同じく長過ぎる箸が行き渡っている。
ところが地獄と違うのは、
それぞれが
「お先にどうぞ」
「ありがとう。あなたもどうぞ」と
お互い向かい合う人の口にうどんを食べさせてあげ
みんなが仲良くお礼を言いながら、
美味しくうどんを食べている。
この話が語るところは
状況は同じでも
そこに集う人の気持ちや行動により
天国にも地獄にもなる
ということです。
これが遥か昔から語り継がれている教えであることからも、
良い解釈を行い行動することの大切さを「説かなければならない状況」というのは
日常茶飯事として
身近にあるのだと思います。
全くなんの迷いもなく
心穏やかに日々を過ごせている人は
(国や地域によっては大多数の人がおおらかな場所もありそうですが)実は、少数派なのかも知れません。
けれど人にはいちいち悩んでいるとは言わないので
皆、涼しい顔をして過ごしているように見え
一方で、自分は人一倍悩んでいるように感じたりします。
弱さや悩みも
人ならでは。
心がなければ、人らしくありません。
悩むのは「何かを良くしていきたい気持ち」とセットであれば、なおのこと悩みを増やしがちです。
ただ、あまりに自分や他人を追い詰めても
そこに待っているのは どうも「天国(居心地の良い場所)ではなさそう」です。
事実は何か。
それをいま、自分はどう解釈しているか。
相手のあることであれば
相手は今、何に悩んでいるのだろうと
相手を責める代わりに推し量ってみると
自分のこれまでの「解釈」に
二つ目、三つ目の選択肢が見えてきて
「最初に思っていた解釈では前向きな解決に繋がらなさそうだけれど、
見方を変えたら、解決の糸口がありそう」と思えるかもしれません。
そんな事も
今、命の危険がないから
考えられること。
実は守られて幸いな環境にいられる私達です。
誰しも悩みの一つや二つを日常的に抱えて過ごしていますが
中でも仕事に限って言えば
「解釈の幅を持たせてみること」「視点を複数持ってみること」は身につけたい習慣です。
今週も実践のチャンスに恵まれています。
今できることを一生懸命にやりましょう!
YPP
五味渕紀子