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お知らせ一覧

月曜メール

vol.306 【当座買いの精神】

 

おはようございます。
三連休、いかがお過ごしでしたでしょうか。

 

月曜メール、今週は火曜の朝にお届けいたします。
(昨日お届けできず、失礼しました)

 

さて私が私淑する稲盛和夫さんという名経営者がいらっしゃいます。
(京セラ・KDDIの創立者であり、直近ではJALをたった2年半で再生したことでも有名です)

 

経営についての王道をさまざまなご著書やご講演、
ご自身がボランティアでなさっている塾(盛和塾)で教えて下さるのですが
中には、家庭つまり「家計」で生かせるような「知恵」も含まれています。

 

家庭のやりくりも、会社のやりくりも、基本は同じ。
「入るを計って出を制す(入るお金を考えながら、出るお金を制限する)」とは
よく言われます。

 

稲盛さんが教えてくださった知恵の中に
「当座買いの精神」というものがあります。

別名「一斗(いっと)買い」ともいいます。

 

一度に大量に物を買わず、一斗だけ、当座に必要な分だけ買う、ということです。

 

稲盛さんの子供時代のエピソードとともに教えられる「一斗買い・当座買い」について
本日は共有したいと思います。

 

稲盛さんがガキ大将としてならしていた子供のころ、
行商をしている親戚のおばさんが、売れ残りがあると稲盛さんのお宅に帰り道に寄るのが常だったそうです。
そして稲盛さんのお母さんは、親切心からその売れ残りをごっそり買ってあげていたそうです。

 

お母さんも、それを見ていた稲盛さんも良いことをした、と思っていたのですが、
お父さんはその話を聞いてブスっとしている。
それを稲盛さんは子供心に不思議に思っていました。

 

その理由はほどなく判明します。

 

ある日、お母さんが庭先で掘り返してみるとどのお芋も傷んでしまっていて
傷んだところを削ったら、本当にちいさくなってしまいました。
それでも数が多いので、お母さんは稲盛さんにご近所の子供たちを呼んでくるように言い、
みんなで蒸かしたお芋を食べます。

 

この姿を見て、子供心に稲盛さんは、「ははあ、得をしたと思ったけれども
結局、無駄遣いをしている、と父親は分かっていたのだろう」と察するのでした。

 

このことを引き合いに出しながら、
稲盛さんの会社では、工場の部品も徹底して「当座買い」の大切さをうたって
仕入れてきたそうです。

 

一見、まとめ買いをすると単価が安くなるため、得をした気分になりますが
1000個の製品を作るのに1003個しか必要な部品がなければ、とても貴重なものとして扱いますが
1000個に対して、多めに2000個も部品があれば、床にこぼれても誰も気にしなくなります。

 

余分にものがあれば、粗雑に扱うようになるだけでなく
倉庫代、管理費などさまざまなコストが余計にかかっているのです。

 

自分のお金そのものが落ちれば、みな拾いますが
箱からあまるように部品が積んであると、それはお金ではなく
いくらでもあるモノにみえてしまうようです。


似たようなことはYPPでも起きていました。

 

先週、北浦和の事務所をあらためて大掃除したところ
びっくりするぐらい、大量のビニールゴミ袋や、賞味期限切れのペットボトルの水
洗剤やスポンジなど、未使用の清掃用品が見つかりました。

まとめ買いをしただけでなく、お客様がイベントで余ったものも含めて
うず高く棚の上に積まれていくうちに
いつしか物があふれている状態が「当たり前」になってしまっていました。

事務所のほんの一角ですが、不要なもの、期限の切れたものを片づけてみたところ
棚の四分の三のスペースが空きました。


身内の恥をさらすようで、あまり公表したくない話ですが
スペースに誰かが無造作に何かを置き始めると、
自然と不用品が溜まってきて、いつのまにか誰もが気にしなくなるという典型でした。


似たようなことは家庭の中でも起きやすいと思います。

 

そこで冒頭の「一斗買い」「当座買い」の精神なのです。

 

必要なものを必要な時に必要な分だけ買う。

 

この「原則」にのっとって購入してみると
長い目では、不要なものがない状態を維持できるため
無駄な労力や場所を使ってしまうことが防げます。

 

少ししかないので、物を大切にすることも自然と心がけるようになります。


いつも「まとめ買い」ばかりしていたけれど
大掃除でドッサリ捨てるものがあるなあ、などと思い当たる方はぜひ
この「一斗買い」「当座買い」の精神を生活の中にも取り入れてみてください。


もちろん仕事において、無駄なものを増やさないことは大事です。

 

無駄なファイル、無駄な使い終わった仕事の資料が残っていると
漏えい事故や添付ファイルミスのもとです。

 

私自身もこうやって書きながらも大変耳が痛いことなので
今週これを書いたのを機に、あらためて書類整理する時間を設けたいと思っています。

 

日ごろからきちんと整理整頓が得意、という方でも
つい「安いものをまとめて買う」ということはあるかもしれません。

 

今週は家庭でも生かせる仕事の知恵として
稲盛和夫さん(京セラ)の「当座買い・一斗買いの精神」をご紹介しました。

 

今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。

 

YPP
五味渕紀子

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