YPP月曜メール 私の思うことVol.582 【いくつになっても「こうありたいな」があるもので】
おはようございます。
総選挙が終わって、今日から11月がスタート!
早いですね。今年もあと残りちょうど2カ月、
毎年ここから年末までがあっという間に感じます。
さて
昨日読んだPHPの本の中で
作家でエッセイストの阿川佐和子さんが
長年悩んでいたことを知りました。
有名な番組で著名人と共演して、沢山の本を出版して、
傍から見ればとても華々しい活躍をされている阿川さんですが
「自分は専門的な知識を持っていないこと、
深く掘り下げた分析ができないことは、
ずっと私についてまわる劣等感」だったそうです。
そして
ある日、ばったり電車で出くわしたプロデューサーに
思わず愚痴をこぼしたとき
「別にみんなが専門家にならなくてもいいんじゃない?
あなたは専門家と専門家をつなげている。
間に立つ役割も大事なんだよ」という言葉がうれしくてうれしくて
我慢できずに電車の中で、泣いてしまったそうです。
一流の舞台で活躍している人は
その舞台上では悠々と堂々としていて、
何の逡巡もなく過ごしているようにみえても
どんな人にも、様々な葛藤や悩みがあり
またそれがその人を深くし、魅力的にしているのだと思います。
そして人は
ふと誰かに
「あなたも役に立っている。ダイジョウブ」という一言を言われたい時があるのだろう
とも思います。
阿川さんはこの記事の中で
エッセイストの三宮麻由子さんの『鳥が教えてくれた空』という本で
出会った素敵な言葉を紹介されていました。
少し引用させていただきます。
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彼女は四歳で視力を失ったんですが、あるとき、鳥の声に興味を持って
鳴き声の違いを聞き分けたり、鳥の気持ちを想像したりするようになる。
そして考えるんです。
鳥はほかの動物のように強い力があるわけではないけれど、
地球上に鳥がいなかったら、どんなに味気ないかと。
鳥は神様の「箸休め」のような存在ではないか、と。
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[引用:PHP心の休ませ方、癒し方]
それで阿川佐和子さんは、自分が中途半端な存在だとずっと思ってきたけれど
決してメインディッシュになれなくても
立派な料理と立派な料理との間に挟まれた「箸休め」のような人生が送れれば
それでいいのかもしれない、と思い至ります。
そしてご友人の檀ふみさんにそれを伝えたところ
『箸休めだって、おいしくなくちゃね』と言われたそうです。
(こう言ってくれる友人がいるところも含めて素敵です)
いろんな人が与えられた仕事を必死にこなす中で
自分なりに、そのステージごとに
自分の存在意義について考えたり、悩みながら過ごすうちに
なにかヒントになる言葉や人との出会い
自分なりに答えや、折り合い方、あり方などを見つけていく。
それ自体が、人生を「生きている」という充実した時間に思えます。
私からみると大活躍している女性の先輩に思えますが
阿川さんご自身はそのインタビューの最後で
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「これが得意だ!」とはまだ言えません。
でも、私もいつか「おいしい箸休め」になれたらうれしいですね。
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と仰っていました。
こうやって人生の先輩方が
幾つになっても謙虚に学び、
こうありたいな、と自分の成長を願う気持ちをもっておられることに
「これはこれは、先はまだまだ長いぞ」(笑)と
嬉しくなるのでした。
そして、自分自身へもそうですが
周りでふと、袋小路に入っている人をみかけたら
「ダイジョウブ。あなたは〇〇が素晴らしい人だから」の一言を
かけられる人でありたいな、とも思います。
今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔溢れる一週間になりますよう。
YPP
五味渕紀子