YPP月曜メール 私の思うことVol.641【数えられないものを考える時間を】
おはようございます。
関東は、冷え込んで空気の綺麗な朝を迎えています。
W杯決勝をご覧になって寝不足の方もいらっしゃるかもしれません。
さて「統合報告書」というレポートを
ご存じでしょうか。
よくある企業や団体の「財務諸表」は
売上・経費・利益などの数字によって
その業績を表していますが、
「統合報告書」は
従来の「財務情報」ではレポートしてこなかった「非財務情報」
ビジョンやミッション、多様性やSDGsなどの取り組みなど
その企業や団体の「存在意義そのものを多面的に記したもの」です。
縁あって
日本で国立大学として初めて
この「統合報告書」作成に取り組んだ
東京大学のプロジェクトチームリーダーのお話を聴きました。
国内最高峰の大学で
さぞかしスマートに進行するようなイメージを
(お話を聴くまで)勝手に描いていましたが
そのプロセスは
中小企業のプロジェクトと変わらない泥臭さと手探り感が満載でした。
印象深かったのは
未知の仕事に真摯に向き合う若いチームリーダーと
チームメンバーの仕事ぶりです。
関係者へのヒアリングでは
「やる意味がわからない」
「全然魅力を感じない」など容赦ない言葉に
『めちゃくちゃ落ち込んだ』そうですが、
それらの批判から学べるところを学び
『東京大学として統合報告書を作る意義』を見失いませんでした。
例えば、どれだけ多様性が実現されているかをグラフ化したり
工夫次第で、非財務情報も「見える化」が図れます。
試行錯誤しながら
毎年ブラッシュアップされていることが
レポートからも、リーダーのお話からも伝わってきました。
海外に目を転じれば、古くから多くの大学が取り組んでおり、
「国内初という自負より、まだまだこの位置」という
グローバルな視点と謙虚な姿勢も素晴らしいなと感じました。
挑戦者の話を聴くたびに思うのは
新しいことをやる時には、
いくら世間にお手本があっても簡単ではなく
オリジナルで考え、自分たちで答えを見つけるプロセスは
試行錯誤の連続以外にないのだ、ということです。
そして、
【今まで言葉としては明らかにしてこなかったけれど、確かにあるもの】
(なぜその仕事をするのか、どんな風にありたいのか等)
それらをじっくりと考える意義には、
やってみたらわかるであろう想像以上の価値、成果を感じます。
「非財務情報」があるのは、組織だけに限りません。
一人ずつに「思い」「やりたいこと」「大切にする価値観」があります。
納期、件数、手順だけを考えていても、
日々を過ごすことは出来ますが
いつも数えていなかったものを考えてみる時間を
ぜひとってみてはいかがでしょうか。
仕事の意義。目的。あり方。好きなもの。憧れる姿勢。
誰かに「統合報告書」としてレポートしなくても
自分の中に、しっくり来るまで考えてみることは
この先の人生の豊かさにきっと直結していきます。
今週も学びのチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。
『一人でも多くの人に、仕事の喜びを』
おまかせ事務代行YPP
五味渕紀子