YPP月曜メール 私の思うことVol.621 【当たり前なのについ忘れがちなこと】
おはようございます。
いよいよ8月、夏本番となりました。
コロナに気をつけつつ、移動制限はあまりしない夏。
免疫力を上げながら乗り切りたいところです。
さて
ある人生の先輩が「この本面白いよ」と勧めてくださり
『絶対悲観主義』(楠木健著)を読み始めました。
本の帯には
『心配するな、きっとうまくいかないから』と書いてあります(笑)。
冒頭から参照しますと
「うまくやろう」「成功しなければならない」という思い込みが
ちょっと思い通りにならないだけで、「困難」に直面し「逆境」にある気分になる。
著者いわく、
「うまくいく」という前提を持つからこそ、
「うまくいかないのではないか」という不安を持つ。
「そもそも自分の思い通りになることなんて殆どない」と思えば
『戦争や病気など、よほどのことがない限り、困難も逆境もありません』。
たしかに、私の日々の悩みは「困難でも逆境でもないなあ」と
改めて感じながら、愉快に読み進めているところです。
ところで話は飛びますが
先週、社内研修で「互いの価値観を知るワーク」をやりました。
「わがままカード」というトランプみたいなカードを使います。
3-4人でひとつのチームを組み、最初に手札が5枚ずつ配られます。
残りは、真ん中に積んでおきます。
カードには「達成感」「昇進」「共感」「お金」「没頭」など
さまざまな言葉が書いてあります。
5枚の手札をもって、カードの山から新たに6枚目を引いてきて
「自分の価値観と遠いな」「捨ててもいいな」と思うカードを1枚捨てます。
(つまり、自分の手札は常に5枚です)
捨てるときには、
なぜそのカードを捨てるのか、理由を言いながら捨てます。
「えー、『昇進』は興味ありません!」とか。
周りも自由に感想を言って良いというルールです。
「だよね。私も捨てるな!」「え?そうなの。私は捨てない」とか。
一人ずつ、手札を引いては
いろんな理由を言いながら、いろんなカードを捨てていきます。
「あー、らしいねえ」とか「意外!そうなんだ」など
トランプのような気軽さの中で、会話も弾みます。
最初は捨てるカードがサッと選べるのですが、
5巡目ともなると
「えー、どれも捨てがたい…」という声があがってきます。
手元に残るカードは、自分が捨てがたいもの=大切だと思うもの。
それぞれが重要視する価値観が浮き彫りになってきます。
5巡したら、互いの手札を見せ合い、
各自が「大切だと思うもの」を全員で共有します。
「わがままカード」という名称ですが、
わがまま=理想 であり、
一人ずつが違う価値観をもっている、ということがわかるカードゲームです。
こんなカードゲームを通して
私たちは、当たり前すぎることを学び直します。
『一人ずつ、大切にしている価値観は違って、
一人も、全く同じ人がいない』と。
当たり前なのに、この当たり前を見失いがちで
自分が思っている通りに、相手に思ってほしいと考えてしまうことが
日常には多々潜んでいます。
「絶対悲観主義」にも書かれていますが
自然界、人の考え方など
「自分の思い通りにならないこと」に、つい自分の思い込みを通して解釈し、
腹を立てたり、困難を感じたり、逆境だと思い込んだり(苦笑)。
自分から窮屈な考え方に捉われていきがちな現代人。
どうやら
世の中が便利になればなるほど、耐性が衰えるようです。
『絶対悲観主義』も『わがままカード』も
もっと生きやすくなるため、幸せを感じられるようにするため
世に生み出された本・研修グッズで
このような商品が次々と世の中に出てくるのは
それだけ「生きづらさ」を感じている人が多いのだろうと思います。
しかしよく考えれば、戦争も起きていない、世界一の長寿国家で、
(ジェンダーギャップはあるものの)
挑戦する時間が今までで一番たくさんある時代に生きています。
『絶対悲観主義』の著者に限らず
多くの先輩方がメッセージしているのが「時間の大切さ」。
時間だけは、全人類に平等に配られていて
お金のように貯められないからすぐ使う「一番価値があるモノ」。
「時間の使い方」は、自分でコントロールできる。
コントロールできるものとコントロールできないものを
見分けながら、暮らしていく。
当たり前のようで、
意識しないとつい忘れそうになることを
「ムカつく」時ほど(笑)、思い出したいと思います。
今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。
YPP
五味渕紀子