YPP月曜メール 私の思うことVol.612 【これは要注意。自分の脳を味方につけるために(2)】
おはようございます。
関東も一気に暑くなってきました。
昨日は、YPPのお客様の田んぼで行われた田植え祭に参加してきました。
久しぶりに田植え体験をしましたが、ほんの少量
自分で腰を曲げて苗を田んぼに一つずつ植えていくだけでも
お米を大切に食べよう、という気になりますね。
(来年一緒に参加したい!という方は是非ご一報ください)
そんなこんなで
やや腰がはった状態で月曜の朝を迎えております。
さて、
今日の月曜メールは先週の続きです。
「スマホ脳」(新潮文庫 アンデシュ・ハンセン著)について
ご紹介したところ、「読んでみたい!」というお声もいただいたので
ネタバレにならない程度に、今週も
『これは大事』と思うところをシェアさせていただきます。
誰しも好んで依存症になるわけではないですし
「自分は、スマホ依存ではないか?」と心配な方も
本当はそうあってほしくない、と思いながら危惧されていると思います。
が、読んでみた結果。。。悲しいかな
想像以上に
「依存させるような仕掛けだらけ」であるのが事実でした。
衝撃だったのは、、、
たとえば、さまざまなアプリで
最初からパッと情報が表示されず、
まずアイコンのマークが大きくなってから画面が開く。
これは通信がつながるまでの間の待機時間があるため表示されると(勝手に)思っていましたが、
実態はそうではなく
「期待をさせる時間」があったほうが人々が群がるため、
あえて、脳が期待する絶妙な効果として、使われているようなのです。
先週の月曜メールで
facebook開発者の方が
自らに(親が子供に制限をかけるアプリを使って)制限設定をした
というエピソードをご紹介しましたが、
知れば知るほど
『意識してスマホを遠ざけて健康的に生きること』を具体的に行う必要性を感じます。
人は長い長い狩猟生活時代で生き残っていくための進化の過程で
新しい情報に敏感であることが必要でした。
その新しい情報があるかもしれないという『期待』に対して
脳が快楽を感じる物質を出す、ということが本能として備わっていきました。
し好品と違って
生活の便利上、もう使わざるを得ない。
でも、狩猟時代に培った「新しい情報への期待」や
生存していくために必要だった「不安感」をあおられると
その本能が、人を不必要に不健康にしたり
憎しみや分断を(いとも簡単に)生み出してしまうのです。
スマホの弊害は、
集中力・記憶力の低下だけではありませんでした。
インターネットにあふれるニュースのうち
『一部はフェイクが混ざっているだろう』と思っていましたが
実態は
『フェイクのほうがあっという間に広まる』のです。
(これは、災害時のデマなどでも、実に悲しい歴史があります)
なんと【正しい情報が広まるのは、誤っている情報より6倍の時間がかかる】とのこと。
そしてインターネットニュースが選ばれる基準は、正しいかどうかではなく
センセーショナルであるか(人が注目しやすいか)、閲覧回数が多いかどうか。
いかにデマが広まりやすいツールであるか、冷静に考えると
恐ろしくなってしまいます。
基本、人は「ゴシップ好き」。
例えば
「上司(誰かそこに居ない人)の悪口を言い合う時に、同僚同士で親密性が増す」という『効果』があるそうです。
(そういえば、私も20代のサラリーマン時代、知った顔で(本当のことは知りもしないで)
「うちの会社は…、うちの役員は…」なんて、同僚とこぼしあっていたことがありました…赤面)
著者が警笛を鳴らす背景にあるのは
狩猟時代に培われた(当時は生きるために必要だった)「本能」が利用され、
不必要にあおられる不安、心身の健康を害してしまう人の多さです。
一人ひとりは争いより平和を願うはずなのに。
せめて、今日から出来ることとして、
人の特性、脳の特性をよく理解した上で
便利なツールに潜むリスクを知って
そして物理的に、距離をとる時間を設けたいと思います。
電源をオフにする時間。
違う部屋において、離れる時間。
スマホが広がって約15年。
(たった15年)
興味深いのは、この本が書かれたのがスウェーデンだということです。
日本だけでなく、世界中で
比較的豊かで穏やかに暮らせるはずの環境が整った国で
不眠に悩む人が増え、
(調査以降ずっと10年ごとに上昇を続けてきたという能力調査で)
次世代、子どもたちの能力がじわじわと下降傾向にある、という調査結果が出始めている今。
月曜から不安をあおる情報を発信することに
申し訳なさを感じつつ、
でも、健康で生きるための知恵は
長寿国の日本では、とっても大事なことだと思うので
二週にわたって紹介させていただきました。
ぜひ!
スマホ依存バリバリの私と一緒に
健康生活に移行したい方は、
今日から、
寝室にスマホを持ち込まない。
寝る前には見ない。
一週間のどこかで、スマホと離れる日をつくる、を実践しませんか?
週にたった2時間でも、運動することが
とても有効だ、という朗報もあります。
今週も、ぜひ、健やかで笑顔あふれる一週間となりますよう。
YPP
五味渕紀子