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月曜メール

YPP月曜メール  私の思うことVol.471 【ネガティブバイアスに気づく】

おはようございます。
三連休の月曜朝、みなさまお元気でしょうか。



関東は強めの雨が降っています。


台風15号に屋根が飛ばされる御宅や
停電や断水が続いている千葉県南部にも
この雨が降っていると思うと、もどかしさを禁じ得ません。

温暖化や自然災害の発生がこれ以上進まないように
せめて地球にやさしい暮らしを心掛けたいと考えたとき、
使い捨て製品をかなり使っていることに改めて気づかされます。

ただ各家庭でやれることが積もり積もっていくと信じて
物を大切に使うことや
リサイクルできるものは出来るだけそういう処分方法を選ぶこと
多少賞味期限を過ぎた食べ物も棄てずに消費することなど
生活習慣を見直していきたいと思います。


さて冒頭から悩ましい話題でスタートしましたが、
私たちには物事を、現実以上に「ネガティブ」にとらえるバイアス
かかっているという指摘について本日はシェアしたいと思います。


ハンス・ロスリング著
「FACT FULNESS」

ここ数十年間、貧困・人口・教育・エネルギーなど
世界にまつわる数多くの質問をした結果、
世界中の医学生、大学教授、科学者、企業役員、ジャーナリスト、政治家など
知識があると思われたあらゆる分野の人がみな
事実とは違う、間違えた認識を持っている
同じ勘違いをしている、ということを指摘している本です。


「世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず
どんどん物騒になっている。
金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏人になり、
貧困は増え続ける一方だ。
何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」
といった、割とよく信じられてきた世界観や
多くの人に染み付いた考え方を
著者は、実際の数値(データ)で覆していきます。

著者はそれを「ドラマチックすぎる世界の見方」と名付け
多くの人々が思い込んでいる過去の知識に基づく世界観に対して
実際の数値(データ)を示すことで
例えば、30年前の乳児死亡率グラフと、現代のものを見比べてもらい
「乳児死亡率が上がった国はない。基本的に世界は良くなっている
ということを理解させる活動をしているのです。


低所得国における女性の何割が、初等教育を修了するか?

A 20%
B 40%
C 60%

この質問の正答率は7%で、多くの人はAの20%を選ぶけれど
正解は、Cの60%。

世界人口の何%が低所得国に住んでいると思うか?

「50%以上」と回答した人が6割だったのに対して
正解は、9%。

世界で最も多くの人は「中所得国」で暮らしているのが
現在の事実でしたが、
多くの人は、何十年か前、
そう、自分が子供のころに受けた教育から
情報がアップデートされていないことを著者は指摘していました。

再貧困国が存在しないわけではないですが
その割合が、きわめて減ってきたこと
また、低所得国から中所得国への変化は
昔は何十年、時代によっては百年単位での変化であったのが
今は、十年の間に様変わりしているスピードであることなど
データを知れば知るほど、
自分の知識が事実とかけ離れて「古いもの」であることが分かります。


なのに大半の人は
著者曰く「ネガティブ本能」を働かせてしまい
「状況はどんどん悪くなっている」という思い込みの枠の中にいるのだそうです。

著者の主張で
ぜひ共有したい点を転載します。

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暗い話はニュースになりやすいが、明るい話はニュースになりにくい。
メディアはよく、暗いニュースの合間に「心の温まるいい話」を織り交ぜるが、
それは私が言う「明るい話」とは違う。
本当の意味での明るい話とは、数えきれないほどの「小さな進歩」
世界中で起きているということだ。
そんな「小さな進歩」の繰り返しが世界を変え、数々の奇跡を起こしてきた。
とはいえ、一つ一つの変化は
ゆっくりで細切れだから、なかなかニュースには取り上げられない
わたしが世界中のカンファレンスや役員会議で引っ張りだこになるのは、
こういった「小さな進歩」の数々があまりにも知られていないからだ。
ーーーー

思えば
今回の千葉の被災地にも、Amazonやその他
支援物資が本当に必要な分量だけ、細かく届くように
きめ細かい情報を記したアプリが登場し、使われています。


実は日々起きている小さな創意工夫、小さな進歩。


そしてそれは、遠い世界の話ではなく
自分の生活の中で、一人ひとりがやろうと思えば、日々起こせる変化です。


古い世界観を勘違いして信じたまま嘆く代わりに
少しずつの良くなっている変化を感じて
自分も、何かしら役に立つことを試してみる。

世界中の問題解決を一気にやろうとすれば
それは不可能に見えますが、
よくなる変化が日々起きている中で
その中の一つを担ってみよう、と考えると
自分にできることがゼロではないことが感じられます。


東日本大震災のときにも思いましたが
微力ではあっても無力ではない。

昔刷り込まれたような世界観と
すでに世の中はかなり変化しており、
解決に向けて、多くの人が日々汗をかいている事実がある。

著者は言います。

ネガティブなニュースの方が、圧倒的に耳に入りやすいと覚えておくこと。
物事が良くなったとしても、そのことについて知る機会は少ないこと。
「悪い」(状態)と「良くなっている」(変化)は両立する。

物の見方を知っておくことは、
健やかに生きるために本当に必要だなと思います。


少なくとも、電気が届いて
蛇口からすぐお湯がでる安全な暮らしの中にある今日。
よい変化をもたらす一人として行動したいと思います。

今週も、笑顔溢れる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子

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