vol.227 【その仕事の先にあるもの】
おはようございます。
三連休の最終日、私の住む町は雲ひとつない青空が広がっています。
外はピンと冷えた空気で、遠くにみえる山肌もくっきりとして冬らしい空です。
そして、この月曜メールをお送りできるメンバー数がついに500人を超えました。
たった一人から始まったYPPが大勢の仲間を得てきたこと、本当に嬉しいです。
さて、今日は昨日のあるメンバーさんとの面談から、
あらためて思った事を綴ります。
そのメンバーさんが担当する仕事は、他の現場と比べると覚えることが多く
また仕様もさまざまで、ケアレスミスが中々なくなりませんでした。
そこで、その仕事の「手順のおさらい」ではなく、「仕事の背景」を聞いてもらうことにしました。
全体像を理解することで、私たちが起こすミスが、次にどんな人にどのように影響があるかわかると
気をつける意味がわかり、ミスの頻度が減ると考えたからです。
私たちの仕事でありがちなのは、最初に一生懸命「手順」を覚えて
やがて理解できるようになると「手順」にそって「作業する」ことだけで完結してしまうことです。
(昨日面談したメンバーさんの話ではなく、これはみんなに共通することです)
仕事をするうえで、「手順」や「作業」だけに終始するのは、双方にとって勿体ないことです。
仕事には必ず、はじめる人の「思い」があってスタートします。
例えば、ポスター制作であれば、何かしら届けたい「思い」があります。
ある企画会社で新入社員さんが、ポスターをデザインする仕事に携わったのち
「こんなに大勢が考えて、時間をかけて作っていることがわかって、
世の中にあるポスターを見る目が変わりました!」と言っているのを耳にしました。
これぞ、仕事をした結果「得られる感覚」だと思います。
私たちが発送するDMをとっても、そのDM発送を行うための名刺入力にしても
その「発送」や「入力」そのものが目的ではありません。
まず、その商品を届けたい「思い」があり
その商品をつくる「動機」や「きっかけ」や、誰かの忘れ難い「体験」があって
世の中に商品やサービスが生まれ、その「思い」を実現していく過程で
私たちの手を借りたいと言って下さるお客様がいらっしゃいます。
私たちも、その「思い」や「背景」に想像力をふくらませて共感することで
「手順」の理解とは別に、「仕事の意義」を感じることが出来ます。
キーボードをたたいて、そこに文字を打ち込む作業は、誰かの思いをかなえる一部の工程。
自分の担当だけをみて、自分の担当だけが終わればそれでいい、それでは勿体ないのです。
また、手順しか興味がない人の仕事は、完結しないことが多い。
手順どおりにやるべき仕事でも、上流から手順どおりの材料は流れてこないのです。
人がやる意味はそこにあります。
目的を果たすために、手順どおりでない環境や材料を、最終的に目的に添うように仕上げる。
「マニュアルと違うことが起きた」と文句をいう人がたまにいますが、
マニュアルと同じことしか起きなければ、人が担う必要もなくなります。
人が担う現場には、やはり「人の目・人の手」が必要なことがあり、
問題が起きたら、それを見つけ、考えて、調えるという「仕事」があります。
そしてその「仕事」を経験することは、仕事ができることにつながり、やがて
やりがいや、面白さにつながります。
よくスキーの習熟に例えますが
最初は怖くて足元しかみることができなくても
少し上手に滑れるようになったら、視線が上がるようになり、
自分がどうやればどう動くかが理解できるようになってきます。
コントロールの面白さを手に入れた上で周りの景色をみると、ずっと楽しくなる
そんな感覚を、仕事でもぜひ味わってほしい、と思っています。
ご家庭にいて、お客様と直接話をするわけでもなく、
一斉メールや発注書の文章から仕事の全容をはかろうとするのは難しい面があります。
ホームページをみてもよくわからないことがあります。
また、すぐに全容を理解出来る日がくるわけではありません。
でも、ある日ふと気になるタイミングがきたら、その背景に興味関心がわいてきたら
営業にぜひ一言声をかけて、お客様やその仕事について遠慮なく質問してほしいと思います。
また事務所スタッフ側も、単に「作業内容」を伝えるだけではなくて、折をみて
どんなお客様なのか、どんな職場なのか、どうしてこの仕事がYPPにきたのかなど
話ができるようになると
お互い、仕事の理解が進むだけではなく、やりがいも感じられると思います。
すべてのことが一度に進んで解決するわけではありませんが、
見方を変えた瞬間から、世界が変わっていく、拡がっていくことはよくあります。
「見方を変えてみる」こと自体が、仕事を得たことで体得できる素敵な感覚です。
よいことも、望んでいないことも次々と起きる世の中ですが、
一見、大変に思える仕事の中にこそ、面白がれることが、沢山あります。
初心者は初心者なりの楽しみを、中級者は中級者なりの楽しみを
そして、上級者はここまでやってきた上級者としての醍醐味をぜひ味わってください。
今週も笑顔あふれる一週間になりますよう。
YPP
五味渕のり子