Vol.426 【前向きな言葉が出るのは、積み重ねたものがあるから】
おはようございます。
早いもので、11月の月曜メールとなりました。
今年もあと残り2か月を切りました。本当に、月日の流れるのが早いと感じます。
さて、この月曜メールでは
私が尊敬する方々の普遍的な法則や言葉をご紹介することが多いのですが
今日はまったくの私見となります。
まずは、なぜそう思うに至ったか、
つい最近、身近に起こった出来事から今朝は共有させていただきます。
先日あるお客様とのミーテイングの席で
あまりにも情報ギャップを感じて、驚いたことがありました。
私たちは日頃からしょっちゅう
お客様の事務のお困りごとに出くわします。
日々それを解決するために日常があるといっても過言ではありません。
おのずと
事務まわりの新しいツールや効率的な方法を学ぶ機会も圧倒的に多くなり、
打合せを重ねるごとに、色々な選択肢を思い浮かべることができるようになっていきます。
ところがお客様はそうではありません。
人によっては、かなり前のツールしか知らないこともあります。
そのお客様には申し訳ないのですが
「こういうやり方に変えるとよいのではないか」というお客様のご意見は
我々プロから見たら「ないなあ」と思う選択肢だったのです。
(即座に否定するとお顔をつぶしてしまうので、
違う方向に結論を導くため、色々なお話しから提案を重ねていきました)
その会話をした数日後
今度は私が、逆の立場を経験しました。
事務まわりの仕事ならいくらでも話せるのですが
実は、美容院で髪を切る前の「カウンセリング」の時間が苦手なのです。
「どういう髪形にしたいですか?」と聞かれるので仕方なく
毎回律義に答えてはいたのですが、
その状況はまさに
くだんのお客様が事務改善について「ないなあ」という内容だったように
美容の専門家からしたら「ないなあ」という話しかできないのです。
そこで思い切って、カミングアウトしてみました。
「申し訳ないですが、美容に関しては圧倒的に知識不足で
明確なイメージも、伝えるためのボキャブラリーもない自覚があります(笑)。
絶対に文句を言わないので、プロの貴方が良いと思うイメージで仕上げてください」と。
結果は、私がひねり出して答えていた前回迄よりも、ずっとよくなり
とても気に入る髪形となりました。
前置きが長くなりましたが、本題はここからです。
知識不足の分野、苦手ジャンルの話をするときは
「こうしたい」「ああしたい」というアイデアが湯水のごとく
湧いてくる、ということはほぼありません。
「ここが嫌い」
「これはやりたくない」
「〇〇(間違い)にならないようにしたい」と
なにかを回避するような発言になりがちなのです。
私の美容院での話で言うと
「ここがハネるのがいやだ」
「ボリュームが出るのを抑えたい」
「ぼさぼさして疲れた感じにしたくない」など「ない」の言葉が続きます。
先日のミーテイングでのお客様も
「ここを見ていませんでした」
「どうしたらよいか、よくわからなくて…」
「間違えないようにするには、見直すしかないんじゃないか」と
「●●ない」の言葉が多かったのです。
対照的に好きな分野の話になると
「これ、やりたいです」
「今度あれ、試してみませんか?」
「お客様に〇〇をすると、ずっとよくなると思うんです!」と
圧倒的にプラスの言葉が多くなります。
仕事に限らず、趣味の場面においても
好きなことは、自然と前向きな言葉で語られます。
「これ好き」
「これがやりたかった」
「〇〇がしたい」と。
つまり言いたかったのは、こういうことです。
人がマイナスの言葉を言うとき、
その人が「全体的にマイナスな考え方の人」なのではなくて
今、話しているジャンルについては、
前向きに考えられるまでの知識・経験が不足している、ということではないかと。
こと仕事において
自分が「●●したくない」というマイナスの理由から何かを選択しているとしたら
「今はまだその分野における勉強が不十分なのだ」と捉えることが、
ないない尽くしであった物の見方を変えるきっかけになるのではないかと思うのです。
上には上がいるもので
常にこれで十分ということはないにせよ
バロメーターとして
「〇〇って面白い」「〇〇したい」が出てくるようになることは
上達の証といえます。
YPPのメインの仕事場「チャット」内には
様々な会話が飛び交っています。
その中でやはり新人さんはどうしても
「不安です」
という発言がありますし
実践と勉強を重ねた方からは
「これ、やりませんか?」
「お客様に、きっとこれ良いと思うんです」
「〇〇やらしてください」という発言が多くみられます。
自分自身の性格を変える必要はなく
人は、暗闇でものがよく見えないときは不安に思い
視界が開け、明るい風景を見れば、心地よさを覚えます。
仕事の視界が開けていくには
それなりに関心を持ち、勉強や経験を積み重ねること。
当たり前かもしれませんが、その視点を知っておくことも
大事な経験値の一つのように思います。
ふと不安になるときは
「自分の活動量が今一つ足りていないだけで
今挑戦している積み重ねの上にやがて払拭されるもの」と
心得ておくことで、
積み重ねている過程も含め、その意義を感じられたらと思います。
今週も実践のチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。
YPP
五味渕紀子