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お知らせ一覧

月曜メール

Vol.370 【とにかくやってみなければわからない】

おはようございます。
この月曜メールの節目の370号。
キリのよい数字のときは、なんだか少し嬉しく
また気持ちが引き締まります。


さてこの三連休の前半を使って
土日は福島県田村市と川内村に行ってきました。


田村市も川内村も震災直後は避難指示を受けた地域ですが
現在は8割が帰村し、ほかの過疎地と同様
人手不足や人口減、高齢化などの課題を抱えています。

 

豊かな自然がある故郷で生活できる十分な仕事をつくること
魅力ある地域として再興するために、
地域再生に興味のある若者や起業を目指す人に
すでに現地で事業を始めた方々が
その魅力と実情を紹介するという、交流と勉強をかねたツアーでした。

 

みっちり詰まったスケジュールで、
現地で復興のために工場を造ったり新しい事業を起こした方々に会い、
現場を訪ね、様々な取り組みを聞きました。

 

そこには社会起業家として注目されているユーグレナの出雲充社長も参加していました。

 

ユーグレナの出雲社長は「学術名=ユーグレナ、通称 ミドリムシ」の培養に世界で初めて成功した方です。
なぜそんなことを研究開発したかといえば、
世界の食糧難をなくすという課題解決のため、
動物性と植物性を唯一併せ持つミドリムシの栄養価に着目したからでした。

 

科学的には安全に食べられること(しかも栄養価が高いこと)が証明されていても、
「虫を食べて大丈夫なのか」という人々の不安はなかなか払拭されません。

 

長年の「根拠を示しても安心してもらうのが難しい」という問題に対峙してきた出雲社長なので
田村市や川内村が直面している「放射能による風評被害」についても深い理解があり、
大変示唆に富んだアドバイスや具体的なアイデアは、ツアー参加者はもちろん
地元関係者の方々も大いに刺激を受けていました。

 

そんな出雲社長から、ユニークな話を聞きました。

 

前置きがながくなりましたが、本日はそのお話をシェアしたいと思います。

 


ミドリムシの培養に世界で初めて成功し、商品化にもこぎつけました。
(それまでの道のりは最後に紹介するご著書をぜひご覧ください)

ところが、売れるようになるとクレームがバンバン会社に上がってくるようになりました。

 

「オタクの商品は、虫を飲ませるのか」
「気持ち悪くて、隣に陳列した商品まで売れなくなった」

 

一方で、とても好意的な声も寄せられるのです。

 

「これを飲んで、調子がよくなった」
「どんどん飲み続けたいと思う」

 


不思議なことに、日本の東西で反応が分かれたそうです。

 

関西より南は「飲むミドリムシ」でもクレームは来ない。好意的に飲まれている。
関東より北は「虫を飲ませるなんてひどい」というクレームが寄せられる。

 

そこで、どうしたか。
結論からいうと、ユーグレナ社は、商品パッケージを2種類に分けて
ある地域から東では「飲むユーグレナ」と商品名を変えて売り出し直したのでした。

 


さて、問題はその線引きをする「ある地域」です。
だいたい西と東の志向が変わる調査では、静岡あたりと「定説」があります。

 

しかし出雲社長は「やってみないと分からない」と
地道に検証を続けました。
店舗に、名前の違う商品を並べて販売し、売れた数を数える。
「ひたすらやった」そうです。

 

その話の中で何度も仰っていたのは「やってみなければ分からない」。

 

「やる前から、色々予測したって、結局やってみなければ分からない。
 やれば結果は明らかになるでしょ」

 


「人間の遺伝子は、99.9%が同じ。同じ人間なんだもの。自分にもできる。
 自分より賢い人が考えた、などと思わず、自分で考えて、やってみる」

 


「やることの大切さを説く」というよりも、
「やってみない限りは本当のことは分からない」という当たり前の事実。

 

それを改めて教えてもらいました。

 

とかく私たちはやる前に「不安だ」と口にしがちで、何かやるにあたり、それがうまくいくという保証を欲しがります。

 

でもまずはやってみる。やった結果を素直に受け止め、生かしていく。

 

実にシンプルな考え方で実践し続け、やってみることを習い性にすることが
また前進のスピードを上げてくれると思います。

 

今週も、実践と学びの機会に恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。

 


YPP
五味渕紀子


追伸
ユーグレナの出雲社長の起業からの経緯は
ご著書「僕はミドリムシで地球を救うことに決めました」をぜひご覧ください。

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