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月曜メール

YPP月曜メール  私の思うことVol.585 【生涯現役を貫いた方に学ぶ「まことの花」の咲かせ方】

おはようございます。
このところ晴天の月曜が多かったのですが
今日は寒々とした曇天で、これから大雨がやってくる予報です。

土砂災害に警戒される地域もあるそうなので
みなさま、どうぞ天気予報にもご留意ください。

さて
元プロ野球監督 故野村克也さんの「野村四録 不惑の書 生涯現役の理念」に
下記の言葉がありました。

【時代や流行では失われることのない、「まことの花」を目指せ】

「物数を極め、工夫を凝らす」。
能を大成した世阿弥が説いた言葉を野村さんが著書の中で紹介されていました。

世阿弥は、能の最高到達点を花にたとえ、
その花には2種類あると言ったそうです。

それが「時分の花」と「まことの花」。

少し本文から引用させていただきます。


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「時分の花」とは、若いときだけの一時的な花のこと。
少年期には、ただそこに立っているだけで匂うような華やかさがある。
青年期には、名人を相手にしても負けぬ若々しさがある。
しかし、それらは一時的なものである。
一方、「まことの花」とは、一時の若さや流行に左右されない花のこと。
「まことの花」になるためには、
たえず初心を忘れず、努力や工夫を怠ってはならない、と世阿弥は説いた。
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「時分の花」には賞味期限があるけれど
「まことの花」は生涯をかけて、美しくしていけるもの。

野村さんはこうも書いておられます。

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人生においてはゴールを意識したところでどうにもならないという側面もある。
定年退職をした、子育てが終わった、連れ合いや介護をしていた親が亡くなった………。
それらはすべてゴールではなく、その都度のスタートラインでもある。
身体的な面に限れば、
加齢とともにさまざまな器官の機能や病気に対する抵抗力などが落ちていくことは
まちがいないが、
人間の内面的な成長は生涯にわたって続いていく。
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そして、
【人生とは成長に向けた一方通行の工程であり、Uターンするという行為はない】と
野村さんは説いておられました。


とかく身体の不調や、物覚えの悪さに「加齢の衰え」を感じがちですが
出来なくなったことにフォーカスするあまり
出来ることも見失ってしまうときがあります。

例えば、
「自分だけではなく周囲を思いやる気配り」などは
蓄積してきた経験値により、若く無知であった頃よりも出来るようになってきたはず。

過去の未熟な自分に比べて、
「まし」になってきたと思えるもの
これからも磨き続けていける、自分の得意分野というものが誰しも必ず、あります。

他人の芝生は青く見えて
「あの人はあれが出来るのに自分は出来ない」と
つい出来ないことに目を向けがちなときは
その分、自分に内在する「向上心」に気づいてあげて
まだまだこれから磨くことができる「未来の時間」にも気づいてあげたいと思います。

出来ないことにクヨクヨしている間にも、
いつか終わる寿命が刻々と使われてしまっていますが、
気付けば
60歳で定年を迎える人のほうが少数派で
大半の人は、70歳までは働くことが当たり前の時代になりました。
(おそらく、80歳まで、90歳までとこの先長くなっていくことでしょう)

いつか来る終わりや過ぎ去った過去ではなく、
フォーカスしたいのは、使うことができる
「今」と「未来」の時間と、
そこで磨くことができる自分の可能性。


無駄だなあと思う時間も沢山使ってきたからこそ
貴重さがわかる年齢になった気がします。

「まことの花」を目指すのは
「時分の花」が終わってからこそが、適齢期と言えるかもしれません。


生涯現役を貫いた方の金言に触れつつ
今日できること
今日からできること
未来にやってみたいことを考えていきたいと思います。

今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔溢れる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子

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