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月曜メール

YPP月曜メール  私の思うことVol.578 【ロボットと人が叶える素晴らしい未来】

おはようございます。
10月になりました。秋は空が一段と綺麗な季節です。
今朝のみなさまの上空は、どんな形の雲が広がっているでしょうか?

さて今日は
この月曜メールを読む代わりに
10回読んで欲しいぐらいの記事をご紹介します。

その前に、、、

今から10年以上前の出来事をシェアさせてください。

東京コロニーという障害者支援団体の方と知り合い、
筋ジストロフィーである山田さんの就労について
YPPがご相談を受けたことがありました。

東京コロニー:https://www.tocolo.or.jp/

山田さんは大変な努力と勉強の末
大学では教職員免許を取得し、就職を希望するも
当時相談に行った市役所やハローワークの対応は
「難しい」と取り付く島もない状態でした。

そこで東京コロニーの存在を知り
身体的に重度の障害があっても
在宅のままで情報処理技術を身に付けられる2年間の講習があることを知り、
そこでExcelやWordなどオフィスツールを勉強しました。

ようやく2年間の勉強を終え、技術を身に付けましたが
当時、山田さんは週3日、一日あたり2時間ぐらいしか
パソコンの前にむかう体力がなく
『障害者雇用枠』つまり「週の労働時間が30時間以上を満たすこと」ができず、
勉強を頑張ったにも関わらず、就職が厳しい現実がありました。

そこで東京コロニーから
YPPの在宅ワークであれば可能ではないか、という相談が舞い込んだのです。

当時のYPPは、いまほど多様性がなく
私自身も、周りのスタッフも乳幼児を抱えた女性たちばかりの
「超超・不安定戦力集団」でしたので
「週3日、1日2時間も働けるなら、なんて安定戦力なのだ!」と
喜んで(笑)山田さんに会いに行きました。

社会人経験が無いことで、最初の内こそメールがぎこちないところはあったものの
献身的に教えるメンバーの助けもあって、
脱落者が5割になるほど複雑なルールがある難しい仕事を覚えて、
山田さんは、本当にYPPの大事な戦力となりました。

そしてYPPでの在宅ワーク経験で自信と体力をつけたのち、
障害者雇用枠 なんと週30時間も働けるようになり
誰もが知る有名企業へ、念願の正社員として就職を果たしました。

その山田さんが、
東京コロニーへ「凱旋」し、
そこで勉強する後輩たちに、卒業生からのエールとして
講演をしたことがありました。
私も同席をしました。

YPPでの体験を通じて得た
仕事のやりがいと責任について語る山田さんを見て
当時指導した先生方も
「仕事はこんなにも人を成長させるのか」と
目頭を熱くして講演を聴いておられ
私もとても嬉しくなり、当時のブログにもそのことを書きました。

週3日、1日2時間しかパソコンに向かえなかった人が
仕事を通じて、生活にメリハリが出て、体力も自信もついて
もっと働けるようになるのだ、と
YPPの意義にも自信を持ちました。

ただ一方で、
その東京コロニーで山田さんが卒業生として話す先に居た方々をみて
私は、もう一つの現実を知りました。

筋ジストロフィーによる筋力の衰えで
テーブルにあるコップを自分で手に取ることができない山田さんでしたが、
座って指先を使ってキーボードを動かすことはできました。

しかし、山田さんの話を聴いている後輩の中には
完全に寝たきりで、
上半身を起こすこともままならない方もいらっしゃいました。

その時、私は内心、この中の全員が仕事をするのは
難しいだろうなと思ってしまいました。

「一人でも多くの人に仕事の喜びを」という理念を掲げたYPPですが
完全に一人残らず、というところまでは無理だろうと
勝手に限界を決めていたのです。

そんな私が恥ずかしくなる記事を、先週目にしました。

あまりの感動に
繰り返し、繰り返し、その記事を読みなおしました。

なんと、、、
ロボットを使って、寝たきりの人が働けることに挑戦している会社があったのです。

株式会社オリィの代表であり、ロボット研究者の吉藤オリィさんの書いた記事のURLをご紹介します。

『寝たきりの親友と語り合っていた「寝たきりでも誰かと出会えて、誰かの為に仲間と働ける未来」』
https://note.com/ory/n/n62cd31b5dc6e

ぜひ、ご一読ください。

寝たきりの人こそ、仕事への渇望心がとても強いことは
この記事を読んで、改めて感じるところです。

この会社が取り組んでいる「寝たきりの人が働く常設カフェ」は
YPP事務所からも近い、日本橋にあるそうです。
お近くの方は是非、お店にも直接行ってみてください。

カフェの店員はロボットですが、
それを動かす「パイロット」は在宅で
今までは働くことを諦めかけていた方々です。

ロボットとは、人が働かなくてよくなるために造られているばかりではなく
こんな風に、働けなかった人が働けるように造られてもいるのだと知って
本当に、希望が持てました。

仕事とは、社会とのつながりとは、人の幸せとは。。。

つい惰性で始めてしまいそうになる一日があったら
是非、働く意義を見つめなおしたいと思います。

そして、限界を自分でつくらない素晴らしい人たちに触発されつつ
YPPも、日々
「一人でも多くの人に仕事の喜びを」創ることに、届けることに
こだわり続けていきたいと思います。

今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔溢れる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子

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