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月曜メール

vol.431 【続けてきたこと、続けていけそうなことを思う】

おはようございます。
関東は久しぶりに冬らしい寒い朝を迎えました。


さて人口4700万人の小さな町で
家族で営んでいる小さなスーパーマーケットに
全国の大手スーパーやコンビニなどからも視察が訪れている
という話を読みました。


地元では有名な「さいち」というスーパーマーケットだそうです。

心を込めて作っているお惣菜が人気だそうで
「さいち」ではロスゼロ、
つまり売れ残りがなく
作ったものがその日に完売するので
お客様には安く提供しているにも関わらず
きちんと利益も出せているそうです。

一般的にスーパーなどの惣菜は売れ残りのロスを見込むそうです。

売れ残りを見込んだ金額が
どうしても価格にのります。
そして、
どうせ売れ残りも出ると思うと
作り手のモチベーションにも関わってくる、といいます。

スーパー「さいち」では、
絶対に売れ残らない
美味しいものを作ろうと
徹底して味に(つまりは調理の手間暇に)こだわっているそうです


熱心に研究を重ねて
一生懸命に作ったものが
お客様から喜ばれて
食材や食品を無駄にすることもない。


素晴らしい仕事のあるべき姿として、
全国から次々と視察が来るの頷けます。


特に「おはぎ」が大人気の商品で
それを目当てに地元の人だけでなく、土日は遠方から観光バスで旅行客も訪れてくるとのこと。


私が注目して、
今週みなさんとシェアしたいなと思ったのは
この「さいち」さんが
「おはぎでいけると思った」というまでに
掛かった年月です。


おはぎを作って提供し始めてから
一体どのくらいで
「これはいける!」と思うようになったのか。

3日や10日で
そんな理想の味と反響にはたどり着けません。


甘過ぎると言われたり
塩気が足りないと言われたり
「砂糖ケチってるの?」と聞かれたり。
とくに味は主観的に決められるもので、
人により様々な意見が寄せられることは想像に難くありません。

自分たちで納得がいき、
これこそが提供すべきおはぎの味だ!と思うまでに費やした年月とは、
一ヶ月?三ヶ月?
いや少なくても、一年以上はかかるでしょう。


と思いながら
この話を読み進めたところ、

実際には、、、


なんと
「7年目にしてようやくいける!と思った」そうです。


いまはスーパーが出来て30年の月日が流れています。


30年経って振り返れば
最初の7年は
たいそう価値のある試行錯誤の期間と誰もが結果から思えますが、
結果の出ない時期に過ごす7年間を思うと
その継続の情熱や必死さに
改めて想いを馳せずにはいられません。

ふと思い出したのは、
セブンイレブンを全国展開していく最中に
鈴木社長(当時)が「これで全国展開出来そうだ」とようやく感触を得たのは
「100店舗めをつくったときだった」という話です。


ユーグレナ(ミドリムシ)で革新を起こしている出雲社長も「取り扱ってくれる商社と出会えたのは500社目に声をかけたときだった」と言います。


最近、一年も勤めずに仕事を変える人が増えたという話をよく聞きます。
「これは私に向いていない。
思っていた仕事じゃなかった」と
見切りが早い人が多いそうです。


一方で長く物事を継続してきた人に
続けられた理由を聞くと
「それしかなかったから」という答えが返ってくることがあります
むしろ選択肢がなく
後戻りできず、
「それしかなかった状況」の方がよいのかも知れません。


「さいち」さんが名物のおはぎにたどり着くのに掛けた年月は7年
もちろん、その後もずっと
手間暇をかけ続けて
今も、お客様に安く美味しく食べていただこうと
努力を惜しまない日々を過ごされておられると思います。


続けること。


もし今、何か
続けることに迷いが生じている挑戦があるとしたら、
この7年という数字を
一つのお手本にして
続けることを選んでみると、
いつか「続けてきたからこそ見える景色」を見ることが出来るのだと思います。


「続ける」ということは、
何も同じ場所でずっと同じことをする
とは限りません。


仕事場や取扱商品が変わっても
自分なりに試行錯誤を続けていきたい「仕事の姿勢」があれば、
それは
「続けている」といえると思います。


長い道のりの中で
自分自身とは別の理由により
止むを得ず、一時中断する時も休む時もあるかと思います。


それでも再開して
また続けていくこと。
その「続けたいこと」「試行錯誤が必要なことに身を置いていること」は、
一つずつは悩ましいことの連続にみえて
実は大変価値のある日々だと思います。

今週も挑戦と学びのチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子

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