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月曜メール

Vol.386 【自己開示の必要性】

おはようございます。

まだ雪が残っている埼玉の朝です。
スマホで打つ手が悴みます。

さて今朝は読み始めたばかりの本から
興味深い話をご紹介させてください。

マイクロソフトの3人めのCEOになった方の本です。

巨大化したマイクロソフトが
もはやパソコンはメインツールでなくなる中で
どのように構造改革を図っていくか
注目される人物です。

本の冒頭で、新しいCEOは
マイクロソフトが官僚化する雰囲気を
銃を向けあう風刺画で表されたことに対して
社員たちが「その通りだ」と認めている現実にショックを受けます。

そして世界から選りすぐられて集まった優秀な役員たちを集めて
ある「会」を行います。

それは、今後の戦略を話し合う場でもなく
未来に向けて大量のデータを分析する会でもありませんでした。

それぞれ、PCやスマホを引き出しや自分のポケットにしまって
リラックスしたソファーに身をゆだね
自分のとてもパーソナルな話を
お互いにするのです。

CEOは自身のはじめての子供が
「極めて多くの支援を必要とする子」として産まれた時からの体験や
心に感じてきたことを話しました。

仕事をするために集まってきたお互いが、
仕事以外の顔を見せ合った結果
そこに人としての
たしかな「共感」を感じ
それが新しいところに
皆で協力し合っていけるための
信頼、
心のエネルギーを生む一例を見た思いでした。

この手の「心理学に基づいた研修」は、枚挙に暇がありませんが
世界のマイクロソフトの役員でさえ
最初誰かが手をあげるまで
殆どの人が躊躇したそうです。

「自分が賢くないと思われるのではないか」
という逡巡があったと言います。
世界のマイクロソフトの役員なのに、と驚きました。

我々は、日頃から「そんなことは聞くな」という言葉を数多く耳にしてきたからだ、と氏は語りました。

最大手企業の役員でさえ、そういう感情にとらわれて
パッと手が上がらない状況から
一人ずつがパーソナルなことを開示しあううちに
穏やかで平和な「自分が受け入れられている」という状態に身を置くことが可能となり、
安心感や仲間への共感を募らせるのだと知って
驚く一方で、やはり人として
「お互いを知り合うこと」とは
本当に大きいのだと改めて思いました。

日本でもある時期から
個人情報保護が叫ばれるようになり
パーソナルな情報を気軽に話す社会ではなくなりました。

離れて仕事を行う在宅ワークでは
なおのこと
業務以外のやり取りをする機会は減ってしまいます。

でも安心感をもって仕事に取り組もうとするとき
もっと踏み込んで考えてみると
未来に向けて不確定要素もあり
自分や仲間を信じるパワーを必要とするシチュエーションの時ほど
仕事以外のやり取りが
効果を発揮することは
たしかな事実だといえます。

こんなことを言ったらバカにされるのではないか。
理解ができていないとガッカリされるのではないか。

そんな起きていない心配が先に立ち
肝心な質問さえ
憚られてしまう。

そういう本末転倒な状況は
決して珍しくありません。
むしろ、この心境を経験したことがない人を探す方が難しいとさえ思います。

みな、そうなのです。
何か不確定要素は常にあり
なんらかの不安を抱えて仕事をしています。

だからこそ、安心感を作る必要があり
それは意外にも
ちょっとした自己開示がきっかけになるものなのです。

単に「五味渕紀子」という名前だけではなんの親しみも湧きませんが、
埼玉県出身と聞けば
埼玉の人なら、なんとなく親しみを覚えますし
元体操部、元音楽部であるとか
お笑いのサンドイッチマンが大好きだとか
中2の息子の数学の成績が悪くて悩んでいるとか
パーソナルな情報が少し入るだけで
名前だけの時より
ぐっと印象が変わります。

離れて仕事をする状況は
これからも増えていきます。

そこで距離を超えた親しさや
安心感、共感しやすい状況を作ることも
仕事の創意工夫の一つといえます。

今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子

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