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月曜メール

Vol.342 【最初は3倍大きくみえる】

おはようございます。
早いもので、三月ラストの月曜メールです。



さて、
以前もこの月曜メールでご紹介したことがある言葉ですが
「最初は3倍かかる法則」というものがあります。


例えば、習熟した人が行ったら1時間で処理できる業務に
初めて取り組む人の場合は平均3時間かかる傾向があります。


3時間もかかるので、
「これは自分には出来ない仕事だった」と
慌てて辞退を申し出る方もいらっしゃるのですが
あきらめずに2回目をやってもらうと、今度は1時間半ぐらいで出来、
3回目のチャレンジでは、1時間ちょっとで出来るようになっていきます。


もちろん、内容により多少の前後はありますが
だいたいこの「3倍の法則」が当てはまります。


そういう事象をふまえると
新人さんの頭の中では
物事が本来の姿より3倍大きく見えることになっているかもしれません。


あたかも自分の身長よりはるかに大きなハードルがそびえ立ってお
とても超えられるようには思えない。
心配性であれば、尚のこと課題を大きく捉えて、そんな心境になってしまいます。


特に事務という職種は確実性が求められるため
挑戦心よりは慎重に物事を進めたい気持ちが勝りがちです。


しかし、3倍にみえているだけで
実際にはほかの人がやってきたことなので
仕事が回ってきた自分にも「理解すれば出来るようになること」なのです。


最初から「私には無理です。向いていません」と決めつけるのはもったいない。
声が掛かったということは、周りは「出来るだろう」と考えている証拠で
「ご縁があった仕事」と「人」なのです。


もちろん、その仕事に対して今まで時間を使ってこなかった分
最初は手順通りにやることさえ難しく感じます。
マニュアルを何度も見返しながらやったのに、途中の工程で勘違いをして
思う通りの結果にならないこともあります。

そんな時「この仕事は難しい。向いていない」と考えてしまうと
ますます拒否反応が出てしまいます。


「この仕事を覚えるのに、自分はあと少し時間を使う必要があるのだ」と思って
繰り返していくと、結果、いつの間にか内容やルールを理解し、手順も身体が覚えて
難なくこなせるようになっていきます。

事務代行の良いところは、この「最初は難しく感じるところ」から
慣れて「難しく感じられなくなるところ」までを、色々な新たな仕事で体験できることです。

一つの業務で慣れてしまうと
初期に感じた「手間取った感触」をつい忘れてしまいますが
また新たな業務を担当することで、その「初期の覚束なさ」の感触が戻ってきます。


繰り返し繰り返し、そうやって新しい仕事に挑戦していくと
わからない状態から次第にわかっていくこと自体が「当たり前」になり、
「最初にわからないことを不安に思う必要もない」という境地に到達できます。


これは一日や二日では、辿り(たどり)着けない境地です。
言い換えると、色々な挑戦や回り道や試行錯誤を体験すれば、誰でも辿り着ける境地です。


幸いにも一つのことをじっくり集中して取り組める環境に身を置いた人は
ぜひその環境を生かして、物事を掘り下げて考える術を身に着けるとよいと思います。


一方で、一つのことにじっくり集中することが難しく
細切れにいくつもの掛け持ちをする環境に(図らずも)なっている場合は
掛け持ちを体験することから得られる術を身に着けるとよいと思うのです。


在宅ワークの特徴は、仕事が短期で終わりやすいデメリットがある代わりに
一年間の中で様々な業界の仕事を体験できるメリットがあります。


「初めてやる仕事」が次々とあった場合、
短期的には「3倍にみえることに囲まれる日々」で大変ですが
長期でみると、それは素晴らしいメリットです。

私もある師匠の元で修行した時代に、まるでチョモランマの頂きのように
師匠のやることや見える世界は遥か彼方のもので、永遠に手が届かないように感じました。

しかし10年以上の月日を経て
師匠と同じ視点ではなくても、師匠が言いたかったことがわかるレベルにはなってきたと思います
それはやはり、新しいことに挑戦することが「習い性」になってきたことと無関係ではないと感じます。


初めてのことに着手したとき「実態よりも3倍大きくみえている」と心得ておくと
ドキドキする気持ちが、少しは落ち着くかもしれません。


この春新しい仕事に挑戦する方はぜひ
長い目でその成果を楽しみにしてほしいと思います。


今週も実践と学びのチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。


YPP
五味渕紀子

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