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月曜メール

Vol.423 【人間くさい魅力もありつつ、気をつけておきたいこと】

おはようございます。
薄曇りの朝を迎えている関東です。

季節外れに真夏日もあった10月ですが、
今週は秋らしく
早朝は肌寒さも感じるようになりました。

今年も残すところ3カ月を切り、
月日の経つのはいつも早いと感じます。

さて、
「謙虚にして奢らず(おごらず)」という言葉は
誰しも聴いたことがあると思います。

まさか自分が奢っているとは
殆どの人は思いません。

しかし、世の中には
謙虚さのかけらも感じられないな、と思う人に出会ったり、
横柄な態度にムッとすることがあります。

おや、
おかしいですね。

みな、奢っているとは思っていないのに
日常は、
謙虚さを身に付けたら良いのに、と思う出来事をあちこちで見聞きします。

「あの人のあの態度はいかがなものか」という相談が
寄せられることもあります。

自分は奢っていると思っている人は殆ど居ないのに
この現象の発生頻度は、
なぜこんなにもあるのでしょう。

私が私淑する哲学者であり名経営者のお一人である稲盛和夫さんは
「奢っていると自覚できれば世話はないが、
自分が謙虚さを失っているとき
得てして自覚はないことを
よくよく知っておきなさい」という話をしておられます。

そして
よく思うのは「万象は我が師である」ということ。

ムッとする現象に出会っているとしたら、
相手を責める前に
自分も誰かをムッとさせていることがあることを
教えてもらったサインと考えた方が
実は合点がいくことが
あります。

ちょっと脱線しますが、
ある脳科学のワークショップで、
苦手意識がある相手を克服する手法をご紹介します。

椅子を向かい合わせに置いて
そこにさも相手が座っているかのようにイメージしながら
一方の椅子に座ります。

そして、誰も居ない椅子ですが、
さも相手がそこにいるかのように思いながら
相手に話したかったことを話します。

一通り言いたいことを言ったあとに椅子から立ち上がり
今度は
相手が座ったとイメージした向かい側の椅子に座ります。

そして、
その言われた相手になったつもりで
どう感じるかを考えるというワークショップです。

自分がイメージしているほど
相手は自分に対して
敵対心を持っていなかったのだ、
などと感じることで
苦手意識がなくなる。
そんな不思議なワークをかつて体験したことがあります。

さてそのワークみたいに
椅子を向かい合わせに置くイメージを頭の中で描いてみてください。

自分が今、とても不満を感じている相手を座らせ、
向かい合わせになります。

そして(実際には誰も居ませんので)
言葉を選ばずに
言いたいことを遠慮なく思ったままにズバズバと言います。

そして、スッキリするまで言い切った(とイメージした)のち、
今度は向かい側の椅子に座っていたのが
実は相手ではなく
自分自身だったとイメージしてみます。

今、自分が放った言葉を
そのまま誰かから言われた時に
すごく素直に感謝できるか
嬉しく感じるか
はたまた
なんと酷いことを言うのだろうとムッとするのか
想像してみてください。

実は、謙虚でない自分は
しょっちゅう現れていることが
このイメージトレーニングで
わかります。

万象は我が師。

謙虚さを失っているとは気づかずに
失ってしまいがちなもの。

ここまで気づけたら、
しめたものです。

自分が素直に感謝しながら聴けるのは、
とんな言葉であるか。

それを感じたら、
自ずと、相手にかけるべき言葉も
同じであることが分かります。

人の考えや意見や視点はさまざまであっても
快や不快を感じることには
普遍性があります。

上から目線で言われて
嬉しい人はいません。

でも、
自分はそんなことはすまい、と思っていても
往々にして
どこかでやってしまいがちです。

だから、
他人がやっている姿が
目について
気になります。

物事をよくしたい。
幸せに生きたい。

願うことは同じでも
常に複数の選択の中や
立場の違いから
意見はさまざまに分かれます。

誰かにおそらく相手が良しとすることと異なるであろう意見を伝える時、
自分なら
どういう言われ方をされたいかを考えてみると
回り道なようで、
近道に辿り着けることがあります。

謙虚さを失いがちな人間の習性を知っておくだけでも、
謙虚さは少し磨かれる気がします。

万能でないからこそ、
味わい深い人間くささが魅力でもあるのですが
悩んだときは
自分に出来ることを探す習慣は身につけたいなと思います。

今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。
永遠のお別れの哀しみも、やがて時に癒されますよう。


YPP
五味渕紀子

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