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月曜メール

Vol.375 【人は、人と一緒であるからこそ、生きられる動物】

おはようございます!

今朝の関東もよく晴れて
清々しい冷たい空気に満ちた朝です。

今読んでいる本に興味深いことが書いてあったので
今週の月曜日はそれを共有したいと思います。

脳科学者の池谷裕二さんの『できない脳ほど自信過剰』という本です。

人には自分に好都合に(過去の記憶も塗り替えて)考える「特性」があるそうです。

私だけは違う、と思いたいところですが
人の持つ「特性」なので、自分を含めて全員に備わっていると認めるしかありません。

さて今日お伝えしたいのは
これとはまたちょっと違う、きわめて「人間らしい」脳の特性です。

人は、「自分一人で何かをした記憶」というのはあまり残らないらしいのです。

一人で本を読む、一人で映画を見る。美術館に行く。喫茶店でちょっと小休止する。

この月曜メールを読んでいる人は
日々雑務に追われながら、一人で過ごすゆとりある時間にあこがれる方も多いかもしれません。

ところが池谷さんによると
「一人で過ごした朴訥とした時間は、皆と過ごした楽しい時間とは異なり
実は、どんなふうに過ごし、何に思いを巡らせ何をしていたかを、
鮮明に思い起こすことができない」傾向があるそうです。

過去の心理実験から専門家の間では
「集団で行ったことは、一人で行ったことよりも記憶に溜まりやすい」ことが
広く知られているそうです。

一人で作業するより二人で作業したほうが約2倍の単語を思い出せた、という
実験結果が、本で紹介されていました。

YPPでは、フルタイムでは働けない(休みがちになる)事情があるメンバーが多いため
一人で業務を担当するよりチーム制をなるべく進めてきました。
それは「一人だとできないことが多い」という理由からのスタートでしたが
チーム制が出来上がってみると
「二人以上の方が安定感があり、長続きする」ことが体験的にわかってきました。

一人でやる方が効率が良いのではないか、と悩んだ時期もありましたが
脳の特性からみても、仕事を複数名で行うことには、しっかりとメリットがあったのです。

これはとても嬉しいことなので、ぜひチーム制で働く(これから働こうとする)皆さんと
共有しておきたいと思った次第です。


そして、もっと不思議な興味深い実験として
一人でチョコレートを食べる場合と、見知らぬ人と二人で食べる場合を比較したところ、
見知らぬ二人ですから会話も何もないにも関わらず、
「二人で食べたほうが美味しい」というアンケート結果が得られたそうです。

考えてみたら、一人で行った美術館も映画館も喫茶店も
本当に、一人っきりではありません。

周りには、会話はしないけれども同じ空間を楽しむ人がいて
そこに安心感や、同じことを楽しむ人がいる嬉しさを知らないうちに得ていたことに気づかされます。

人は本当に一人では生きられない動物で
人を頼りに生きるものなのですね。

だからこそ、人間関係の悩みがある時に心に憂鬱さを抱え、
時に煩わしいと思ってしまうのかもしれません。

それでもやはり、出会った人は必要な人。

改めてその人を大切に思うところから解決の糸口を見出せるのも
人が持つ「能力」だと感じます。


今週も学びと実践のチャンスに恵まれています。
笑顔あふれる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子

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