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月曜メール

Vol.314 【それは無茶ぶり?、それとも本領発揮の舞台?】

おはようございます。
朝夕は本当に涼しく気持ちよい風が吹いて秋めいてきましたね。


さて日曜日に、ある方の紹介で「プライベートサロン(紹介制の美容院)」に
初めて行ってみました。

大学の後輩である若手弁護士からの紹介で、
担当してくれる美容師さんも彼と同世代。


初回のヒアリングに十分に時間をかけるのが特徴的で
すぐにシャンプー台に案内される通常の美容室よりも3倍ぐらいすべての工程が丁寧です。


あれこれ話しながら、髪を少し濡らしたり巻いたり、アイロンをあてたり
ヘアスタイルを片側だけ作ってみて、出来上がりのイメージが一致するまで約30分ほど。
その後、ようやくシャンプー台に案内されました。


柔らかい物腰ながら、熱心で丁寧な仕事ぶりにいかにも仕事にまい進中
という雰囲気が感じられました。


その美容師さんとの共通の知人である、紹介してくれた弁護士の話題になった時、
面白いことをいうのです。


「彼は弁護士で、僕は美容師ですが、二人の仕事は共通項があるっていう話になったんです」。

なるほど、と思いました。


弁護士も美容師も、千差万別の悩みを抱えた人がお客様としてやってきます。

似たような悩みを抱えているケースはあっても、まったく同じケースはなく、
毎回、そのお客様にとって最良の結果を生み出そうと努めることが共通します。


手段も一つや二つではなく、幾通りもの選択肢があるのも似ています。

また、お客様側は素人なので、「どうしますか?」と聞いても
明確で正確な答えが返ってくることはありません。


あれこれ素人だからこそ自由に言いたい放題、寄せられる要望をくみ取り
言わんとしていること、お客様が望むことを察し
(時には望むことと真逆のことを口にするお客様もいることでしょう)
良い意味で、期待を裏切るようなプロとしての技を披露して
お客様に満足いただける結果を出そうと努めます。


「僕らの仕事って結局、Aセットですか?Bセットですか?Cセットですか?なんて
簡単に出して選んでもらえるもんじゃないんです」とその美容師さんは言いました。


「面白いですよ」と笑顔で語ってくれる裏に
きっと、面白みと同じだけかそれ以上のプレッシャーや、
並々ならぬ量の練習や下積みの時間があって
初めて味わえる「面白がれる境地」なのでしょう。
「プロとしての自負」を感じました。


お客様が素人だからこそ、あれこれと一度に数多くのご要望を口にするとき、
事務代行屋の私たちは、果たしてそれを面白がって聞くことができているだろうか、
そのむずかしさについて、プロとして
お客様の期待を超えて、結果を出そう!という挑戦心に燃えているか。


ともすると「お客様はこれだから困る。わかっていない」とうそぶいていないかと
彼の「プロ魂」にハッとさせられました。


現場で「お客様がよくわかっていない。伝わらない」
「伝え方が難しい」という声を耳にすることがあります。


でもお客様は素人で、こちらはプロ。
お金をいただいているのだから、新人でも「意識はプロ」でなくてはいけないのです。


お客様の言わんとすることをとらえようと必死に探ること
そして、良い意味で期待を超えてやろう、と内心大いに野心をもつこと。


誰しも自分が成長したいという健全な欲求を持っているものの
仕事一つずつの局面では、安きに流れ
「面倒くさい」「手っ取り早く終わらせたい」「わかりやすいパターンがやりやすい」などと
短絡的に結果を欲しがりがちです。


でも実際は常に易しい仕事ばかりでも、常に難しい仕事ばかりでもなく
様々な条件のものが混在するとき、
時に出会える「今までで一番難しく、プレッシャーがかかる仕事」を前に
「成長させてくれる仕事が来たぞ!」と挑戦の舞台が来た!と捉えるか
「ああ、無茶ぶりがやってきた」と逃げ腰の姿勢で捉えるかによって
仕事の結果は、大きく異なってくるに違いありません。


自分を振り返ってみると、仕事であれ遊びであれ
嫌々取り組んでいるときに良い知恵やアイデアが出たためしがありません。


一たび気合を入れて「よし!これで新しい境地に行くのだ!」と自らを鼓舞して事に当たると
今までなぜ思いつかなかったのだろう!と思うアイデアと出会い
そのブレイクスルーに興奮することも、しばしば体験しています。


もう一歩先んじて、そのチャンスをくださったお客様に対し
「よくぞ、自分に頼んでくださいました!」という心境になれればしめたものです。


実際はみな、水面下で自分の能力を伸ばすべく、それぞれの課題に取り組んでいて
プレッシャーを感じながら、仕事をしています。


なかでもより難しいことに挑戦中のときは
「お客様の期待を超えよう!」という強い熱意とともに
それを面白がる境地になることがその成功に欠かせない大事な要素なのだと
そんなことを感じた美容師さんとの会話でした。


今週も実践のチャンスにあふれています。
ぜひ、各方面からのご要望に対し
「無茶ぶり大歓迎!ありがとう!」の精神でいきたいと思います。


笑顔あふれる一週間になりますよう。

YPP
五味渕紀子
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